Q. どれくらいの期間自然妊娠しなかったら、不妊症を疑った方がいいですか?

一般的に、健康なカップルが夫婦生活を1年間続ければ90パーセントの確率で妊娠に至るとされています。この健康なカップルという定義は、生殖能つまり生殖器官及び、それに関連する臓器に異常がないということになります。

いわゆる自然妊娠・出産に至るためには、体の中にある生殖能に関わるすべての器官が正常に働かなくてはなりません。女性では子宮や卵管、卵巣だけでなく、ホルモンを司る脳の視床下部や下垂体も重要です。男性では精巣や精巣上体、精嚢といった器官が該当します。痛みを伴わない場合は、不調に気付きにくいものです。特に避妊されているわけでもなく、1年間妊娠しなかった場合、早めに婦人科を受診することをお勧めします。

1年間というのもあくまでひとつの目安であり、全ての人に共通するものではありません。妊娠のしやすさは加齢とともに低下することは、統計的に示されており。年齢によっては、さらに早めの受診も検討されるのが良いでしょう。

不妊を疑ったら、どんな検査をするの?

不妊を疑ったら、まずは基礎体温表をつけるところから始めましょう。また、血中ホルモン測定や頚管粘液検査、経膣超音波検査などを行います。

当院では、専門的な検査はまだ考えていないけれど、ご自分の体について少し検査を考えている方に、3回の来院の中でホルモンや卵巣の状態を見ていく「妊活検査パック」をご用意しております。ホルモンの採血をすることによって、卵巣機能の低下、卵胞の発育不全、排卵障害、卵巣の予備能がわかります。

▶︎妊活検査パックについて

 

不妊にはどのようなものがあるの?

女性の不妊には、大きく分けて以下の3パターンが考えられます。

  1. 排卵がうまくいかない場合
    月経がこない、もしくは周期が安定しないなどの場合、排卵がうまくいっていないことが考えられます。基礎体温を記録し、排卵の有無や月経周期の長さ、高体温期の長さなどを調べましょう。
  2. 卵管に問題がある場合
    卵管は、精子卵子・胚の通り道です。これが物理的に狭かったり、詰まったりしてしまっていると不妊の原因となります。また、卵管が感染症子宮内膜症などにより周囲の臓器と癒着してしまっている場合も、卵管の動きを妨げ不妊につながります。
  3. 子宮に問題がある場合
    子宮は受精卵が着床し、赤ちゃんが育っていく大切な場所です。ポリープや子宮筋腫があると着床の妨げとなり、不妊の一因になる場合があります。

体の状態はひとりひとり違いますので、いずれの場合もしっかりと医師と患者さんで話し合いながら、最適な治療法を選択していくこととなります。

なんにせよ、まずはご自身の体の状態を知るところから始めなくてはなりません。不妊には年齢も大きく関与してきますから、不妊を疑った場合は、ぜひ早めに婦人科へ足をお運びください。

 

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