AMHに関連する研究報告

〜なぜ血中AMH値が卵巣予備能のマーカーとなりえたか〜

 

しかし、原始卵胞の数は反映していないと言われると・・・(←前回までの話を踏まえて)

「卵巣内で最も数が多い原始卵胞を差し置いて、卵巣予備能の検査と言っていいのだろうか!?( ;´Д`)」

・・・なんて思ったり。

 

とは言え、原始卵胞の数を確認する方法がないのです。

胞状卵胞(だいたい2mm〜)になると超音波での観察が可能になりますが、それよりも小さい卵胞を非侵襲的に測定する方法は未だありません。

では卵巣予備能の指標となるとされている根拠はなんでしょうか?

 

例えばこんな研究報告があります。

*「加齢に伴い血中AMH濃度は低下する」

(David et al., 2011)

約1万7千人の女性を対象として行われた解析で、縦軸が血中AMH濃度で横軸が年齢です。

緑の線が平均値で紫は中央値です。

年齢↑=血中AMH濃度↓

 

*「加齢に伴い原始卵胞数は減少する」

(Wallace et al., 2011)

縦軸はNon-growing follicle (NGF:発育中でない卵胞→原始卵胞)の数、横軸は0を境に左側が月齢、右側が年齢となります。

年齢↑=原始卵胞↓

 

この2つのデータから間接的にではありますが、、、

血中AMH濃度↓≒原始卵胞↓

という関係が想定できます。

 

実際に実験動物での研究データは、上記の関係性を証明しています。

*「血中AMH濃度が高いと原始卵胞数は多く、低いと少ない」

(Marlies et al,. 2006)

縦軸は血中AMH濃度、横軸は上のグラフ(A)が発育中卵胞数で、下のグラフ(B)が原始卵胞数です。

ちなみに、このデータはマウスのものです。

 

このような研究データが積み重なって、AMHが卵巣予備能のマーカーとして知られるようになりました。

とは言っても、原始卵胞からAMHが生産されていないなら、検査をする際は例外の可能性を知っておくことが、重要かと思います。

AMHの検査は、この4月から保険でもできるようになっておるみたいです。

ただし、「調節卵巣刺激法におけるゴナドトロピン投与量の判断を目的として実施」とあります。

これはつまり発育中の卵胞数の指標として治療に利用するということで、ただ「卵巣予備能をチェックたい」という際に適応されるかわかりません。

 

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