Q. 培養室と採卵室の空気環境は？

2022年8月26日 2022年9月28日

みなさまこんにちは。

培養室Q&A、ラボ部より発信させて頂きます！

引き続き「採卵室・培養室の備えるべき条件は？」です(*'▽')

第２弾ということで、培養室と採卵室の空気環境は！？というテーマですが～

空気環境って・・・？

なんですかね(*'▽')

１と３は、培養室と採卵室の空気をきれいにしましょう！ということですね。

HEPAフィルターっていうのは、要するに空気中のとても小さい粒子やら（花粉やカビの胞子、黄砂、ダニ、ハウスダストなど）をキャッチしてくれるすごいやつらしいです！

まぁ、空気清浄機やら換気扇やらについてるフィルターのすごいやつですね。

なんでも0.3マイクロの小さい粒子までとれるようで・・・。

１ミリの1000分の1が1マイクロなので、さらに小さいサイズ・・・。

対象が小さすぎて効果のほどを実感することはないですが、きっと空気はきれいになっているのでしょう。(∩´∀｀)∩

空気がきれいになることで治療成績に影響はあるのでしょうか？

調べてみるといくつかの研究報告が見つかります。

興味深いことにHEPAフィルターの有効性、「HEPAフィルターを使った方が良いですよー。」と言うような報告は見当たりませんでした。( ﾟДﾟ)

もう使用するのがあたりまえだから？？

逆にこんな報告も↓（Cohen et al）

1995年の夏、アメリカのある生殖医療研究所（実験動物を使って体外受精などの研究をしている施設です）で一時的に普段とは別の部屋を使用することに。

別の部屋を使用するにあたり、HEPAフィルターを含む清浄機にて室内の空気環境を制御していたようです。

しかし、その部屋での体外受精成績は、受精率に変化がないものの、胚の発生（受精卵が胚盤胞まで育つ過程）が阻害され、胚盤胞到達率は部屋を移る前の10分の1以下まで低下したらしいです。

使用している機器や手法は変えず、部屋を変えただけで！です。

胚盤胞到達率が急に10分の1まで低下するなんて、恐ろしいことです・・・。(; ･`д･´)

研究者たちは、この原因を調べた結果、揮発性物質（揮発性有機化合物）が原因と結論付けています。

・・・あれ？HEPAフィルター効果はどこいったのでしょうか？（ﾅｶｯﾀｯﾃｺﾄ？）

そして揮発性物質とは！？

次回に続きます(;・∀・)

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