不妊治療に係る助成制度についてのお話、後半です。
前半では体外受精を対象にした、「特定不妊治療費助成事業」についてお話しました。
後半ではこれから治療をされる方、最近治療を始められた方が対象となる「不妊検査助成事業」についてのお話です。
この制度は東京都や埼玉県内の市町村で行っている事業です。
内容に違いはありますが、共通して「検査」を対象としています。
初めて不妊治療を受けられる際、クリニックではまずは本当に不妊症で治療が必要なのかどうか調べます。
女性側だけでなく、男性側の不妊因子も検査をします。
ご夫婦で検査にかかった費用の一部に対して助成をするというものが、この制度です。
すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、4月から開始となる不妊治療保険化の内容は、<人工授精などの一般不妊治療>、<体外受精などの特定不妊治療(生殖補助医療)>が対象です。
厚生労働省の定めた不妊症の適応を満たす上記の「治療」が保険化され、不妊症かどうか調べる「検査」は含まれていません。
前半の記事で紹介した「特定不妊治療費助成事業」は自費での治療が対象でしたが、「不妊検査助成事業」では保険自費問わず助成が受けられます。
助成金額の上限は東京都が5万円、埼玉県内の市町村が2万円と、自治体により異なりますが、検査費用の一部~ほとんどを助成金内でまかなうことができます。
「ちょっと妊娠しにくいかも」と思われたらなるべく早めに検査を受けていただきたいと思います。
もし、通院にあたっての心配事のなかに「費用」が含まれていましたら、この制度を利用してみてください。
(東京都福祉保健局に妊活支援ポータルサイトがあります。妊活や不妊治療に関する様々な情報が載っていますのでご覧ください。こちら)
検査の対象期間は、検査開始日(初診日)から1年以内の検査としている自治体がほとんどです。
しかし申請期限は検査終了日の年度末や終了日から60日以内など、自治体により異なります。
当院では初診日から以降の診療費を計算していただき、助成の上限金額に達した時点で申請の手続きをお願いしております。
(上限に満たず、特定不妊治療に移行された場合はその時点でお手続きください)
なお、東京都では検査だけでなく、そのあとの一般不妊治療についても助成の対象となっています。
さらに区によっては都の助成に加え、更に助成を行っているところもあるようです。
対象者の要件や申請期限などの詳細は自治体により異なります。
制度の利用をお考えの方は、必ずお住いの自治体にご確認ください。
最後に、この不妊検査助成事業は特定不妊治療費助成事業と違い、4月以降の対応について今のところ発表になっていません。
このまま引き続き行われるか、内容を変更して行われるのか、または制度自体が終了するのか。
今後どのようになるか注視する必要がありそうです。
当院としましても確認を行ってまいりますが、これから申請をお考えの方は事前に必ず自治体に最新情報のチェックをお願いします。
2回に分け助成金制度についてお話しました。
長くなってしまいましたが、少しでもみなさまのお力になれたら幸いです。
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